健康意識の高まりや栄養状態の改善、日々進歩する医療技術などにより、2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳でいずれも過去最高を更新しています。もはや平均寿命が長いことが当たり前になりつつあり、最近では「健康寿命」という言葉に注目が集まっています。「健康寿命」とは健康上の問題がなく、介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間のことです。

日本では2007年に高齢化率(65歳以上人口の割合)が21%を超え、世界に先駆けて超高齢社会を迎え、2014年には25.9%でおよそ4人に1人が高齢者となり、今後2025年には30.3%となると試算されています。その中で「健康寿命」を長く保つことに注目が集まっています。「健康寿命」を短縮させる、すなわち介護を要して自立した生活が困難となる大きな要因の1つとして、骨粗鬆症による骨折があります。

骨粗鬆症は骨強度が低下した状態で、転倒などの軽微な外傷により骨が折れる脆弱性骨折が増加します。主な骨折部位は椎体(背骨)、大腿骨近位部(ふとももの付け根)、橈骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩)、下腿骨、肋骨などです。なかでも大腿骨近位部の骨折は運動機能の著しい低下をもたらします。骨折は単に移動能力や生活機能を低下させるだけでなく、その後の運動機能の低下を通じて死亡率を上昇させるため、原因となる骨粗鬆症の予防・治療は重要です。

骨粗鬆症の有病率は日本で約1,300万人と推定されていますが、実際に治療を受けている方はその数%と言われています。それもあって、ヨーロッパや米国などでは減少に転じている大腿骨近位部骨折の発生頻度は日本では依然として増加傾向にあります。

骨量は20~30歳代でピークとなり、女性では40歳代で閉経後から急激に低下していくことが特徴です。

女性、加齢、45歳までの早期閉経、今まで骨折をしたことがある両親・兄弟が大腿骨近位部骨折を経験されている、現在の喫煙、過度のアルコール摂取、ステロイド薬を服用していた、糖尿病、慢性腎不全、関節リウマチなどは骨粗鬆症・骨折のリスク因子になります。

骨粗鬆症およびその予備群を早期に発見し、その進行や骨折を予防するためには、骨密度検査が有効です。

問診、骨密度測定を行い、異常があればX線検査や血液検査などの精査を行い予防・治療を行っていきます。骨粗鬆症の予防・治療には、食事、運動、薬物治療の三位一体の治療が重要です。50歳以上の女性、60歳以上の男性、またそれ以下の年齢でもリスク因子のある方は是非骨密度検査をお勧めします。骨粗鬆症を予防して健康寿命を延ばしましょう。

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